(2009年秋の新学期からはこのカタログが採用されることになる。)
1. 教員養成プログラム(美術教育単科の場合:K-12th G. 幼稚園から高校までの美術教育の資格)
*すべての義務教育期間(カリフォルニア州では幼稚園から高校まで)で教えることができる資格だが、実際には高校教師になる場合がほとんど。そうなんです。州によって異なるものの、米国では義務教育が長い。なぜ義務教育期間が長いのか、国がそこまでそうせざるを得ないというのが理由だけれど、詳細についてはまた今度。
左記3/28付けのブログでカリフォルニア州立大学チコ校における、美術教育と教員養成プログラムの一般概要をざっと説明したが、今回美術教育単科の教員養成を中心にもっと詳細について紹介したい。
カリフォルニア州の場合、教職は、専門の知識(理論と実践教育)は学士である4年のうちに終了し、その後教職プログラムでは、科目共通の教育理論と実践に特化して教育するのが教職プログラム(Credential Program)。専攻がどの科目(例えば数学とか美術)かにかかわらず、このコース内容は共通であり、教員実習コースのみそれぞれの科目の元に実習に行く事になる。
上記のSingle Subject Credential Requirements (Block System) をクリックして内容を見てみると、この教員養成プログラム(単科)は3つのブロックに別れているのがわかる。ひとつは本プログラムに入る前に必須の Block 1 courses (Prerequisite)というもの、つまり前もってとっておかなければいけない必須のコースワークで13単位ある。そして Block 2 courses (Credential Program)といわれる、教職のための本科プログラムで、実際に教員養成のプログラムはこの部分で、教員実習(2種類:Practicum I の6単位と Practicum II の9単位)もこの中に組み込まれていて、この本科部分でだけで、29単位、約1年のコースである。そしてその他に Floater courses と言われるコース類で18単位。本プログラムに入る前、入っている間、その後、いつでも好きな時にとってよい時期を選ばないコース群があり、これらの内のいくつかはGE (General Education:一般教養)と重複しているコースや外国語のように、高校時代にとっていて、その単位をここに入れることができる場合もある。何れにしろ、本プログラムのコースワークにプラスして、その前後の必須コースを加えると、ほとんどの場合、完全に終了するのに約2年かかる計算になり、これからもわかるように、カリフォルニア州における教員養成プログラムは大学院レベルのプログラムであることがわかる。
2. 教員養成プログラムその他:
*Single Subject Credential Program その他:この他単科の教員資格コースの他に、Supplementary Program というのも設けられていて、専門の科目以外にも興味のある科目がある場合、プラスその科目専門で決められているコース20単位をとれば、その追加科目も教えることができるというものである。
*Multiple Subject Credential Program その他: また小学校の教員養成の場合、もちろん全科目を教えるわけである。が、その中で特に専攻を特化したい場合は、Concentration というプログラムも補足として存在する。例えば美術を特に専門としたい場合は、「Concentration in Visual Art」というプログラムを追加で取り、そのプログラムが選定するコースを余分に12−15単位取る事により、美術の専門教師としてK−12G (幼稚園から中学2年まで)指導することができるというものである。
良い教師を養成するという目的とともに、また彼ら彼女らにとっても魅力的なプログラム(つまりいろいろは付加価値のあるチョイスがあるという意味で)になるよう、構成されている(よう努力している、、、)。ただこれらのプログラムもCCTC (California Commission Teacher Crendentialing)のスタンダード更新に連動しているので、常に更新変化せざるを得ないのが少々つらいところである。(正直美術教育教員養成アドバイザーをしている私にとって、この変化の早さに少々ついていけない時がある。もう少し市場原理に一喜一憂しないで、真に教員養成の質だけを考えて中長期でゴールを決めてほしいと思うのが本音である。とにかく変化が早い。)