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Sunday, October 31, 2010

2010 Art494 Group teaching I (10/28):美術教育学生のグループティーチング


毎学期美術教育のクラス(Art494 & Art592)とと一般教育(GE: Gereral Education)の「芸術鑑賞教育」のクラスとの合同スタジオプロジェクトを実施している。美術教育の学生にとっては、一般教育の大きなクラス(約120名)、それも美術の専門外の学生の前で、美術のスタジオレッスンを指導することはとても大きな経験になる。「鑑賞教育」の学生にとっても大きなメリットがある。レクチャー(講義)に偏りがちな授業の中で、実践のアートレッスンを経験できるのは願ってもないこと。習うより慣れよ。作成を通して鑑賞の意義を再確認である。

今日はその最初のグループ(7名)のレッスン「Linear Perspective」。3Dのレッスンである。結果は?みんなの写真を見れば一目瞭然(^_^)!


2010 Fall BFA & MFA show in Chico:芸術学部学生オープン展示会 (10/28)

10/28(木)は一日中 BFA&MFAの学生のオープン展示会が開催。BFA(学部学生)の作品は教室やギャラリースペースで、MFA(大学院学生)は院生のスタジオで展示。計14人のBFA候補生と18人のMFA(大学院)の学生の作品群。毎学期、その日は芸術学部のクラスの授業は中止となり、学生達にこれら作品を見学訪問して感想を書かせたりの課題を与えたりするのが常。私たち教員もそれぞれの展示会場(主に教室)を回って、各学生と作品について話しをしたりと過ごす。そして最後夕方MFAのギャラリースペースでレセプションが行われる。今年の学生の質はどうかなあ、、、う〜んBFAはまあまあだけど、MFAの大学院生たち、どうした、全体的にこれでよいのかというレベル(個人的感想だけど)。とはいっても、アメリカの学生は化けるので、将来超有名にならないとも限らない。アーティストとして成功するかどうかは技術だけではなく、運というか、その時のタイミングや時代が大きく作用しますね。こればっかりは予想不可能。(写真最初の2枚はBFA、3枚目はMFAの作品)

Wednesday, October 27, 2010

Waiting for Masami: 待ちぼうけ?

ある日の出来事。
時間になっても来ないインストラクター。まさみはまだか?の状況で、教室の前で待っている学生達。
(車も自転車もつかえず、徒歩で大学へ行くはめになった私。それでも時間までには間に合う予定が、途中忘れものに気付き、あわててもう一度うちへ。間にあわないと観念した私は、急いでオフィスへ電話。大学の事務員のひとり、学生アルバイトに急いで教室のドアに張り紙をしてもらうことに。「Masami will be here by 10:15 AM. Don't leave....!!!」)

さすがに、リベラルスタディの学生(小学校の教師になる学生達)。ちゃんと待っていました。

Tuesday, October 26, 2010

B-So Gallery: 芸術学部ギャラリーにて展示会準備だ!

芸術学部の入っているビルディングの1階に、学生専用の小さなギャラリースペース「B-So gallery」がある。小さいけれど、毎週のように、学生達のソロ展示会やクラスの生徒作品群の展示会などが、頻繁に開催されている。

日曜の午後、オフィスに立ち寄ったら、プリント(版画)の学生と先生(誰が先生かわかる〜?)が次に始まる展示会の準備にいそしんでいた。

その写真一番左がスコットランド出身のアイリーン。まだ30代初めでうちの学部で一番若い先生(准教授)。アーティストしてもすごく腕のいい先生だけど、その指導能力にも定評があり、学生達にも評判がいい。(アーツィファーツィな人が多い中で、まじめにきちんと教えることができる教師としても優秀。私が最も信頼するスタジオの先生の一人でもある。)オフィスが私と隣というのもあって結構仲がいい。

Monday, October 25, 2010

A De Young Museum Tour Trip to SF: 雨の金曜日は美術館へ行こう!

昨日ガールズコミックパネルディスカッションを見たあと、テリサとサンフランシスコベイ(海岸)の観光地フィッシャーマンウェルスで魚介類のパスタで夕食。至福の時を過ごし、仕事から解放され久々にホテルで熟睡。翌日10/21(金)は小雨まじりの朝に二人でだらんこ。といってもテリサは7時頃には起きていて、論文の修正をやっていた。だらんこは実は私か。といいつつ「パブロフの犬」ならぬラップトップを見ると、スイッチをオンについして、メールを確認せずにはおれない因果な質(たち)になってしまっている私。テレサの後をおって、ベットの上で私もラップトップのコンピューターについ手が伸びてしまう。

泊まった宿が中華街の一角にあり、ブランチの良いお店を聞いたら、お隣との事。覗いてみると100%中国人がお客のお店。クラムならぬクラブチャウダーとコーヒーでブランチ。小雨まじりの気だるい金曜は予定通り、デヤング美術館 (de Young Museum) へ。カリフォルニアに移って11年。なんと私はまだこの美術館へは行った事がなかったの。Shame on you, Masami!

雨の日の午後。考えることは皆同じで、美術館はいつも以上に込んでいました。でも、、、ゴールデンゲートパーク内というばつぐんのロケーションをほこるデヤング美術館。見所はたくさん。3時にはサンフランシスコを出ないと7時前にチコにはたどりつけない私たち。かけあしで(でも結構のんびりと)広い館内を回ったのでした。

特にパットステアの「北斎&広重その後」(Pat Steir: After Hokusai, After Hiroshige) と小さな展示だったけど、日系アーティスト ルス アサワの針金アート(Ruth Asawa 「Wire Sculpture」)のシャドー(影)をとりこんだ作品が印象的でした。以下(以上?)その時の写真。解説はまた後ほど。

Friday, October 22, 2010

Girls' comic artist talk at SF Cartoon Museum (10/21/'10)

(写真中央がトレナ ロビン)

10/20 (木)の夕方、午後の授業の終了と共に、同僚のテレサとサンフランシスコへ、約3時間余のドライブ。7時開始のカトゥーンミュージアム (SF Cartoon Museum)での少女コミック作家のパネルディスカッション (Graphic Details: Panel Discussion Featuring Vanessa Davis, Trina Robbins, and Sharon Rudahl) を見るためだ。事の起こりは数週間前、2005年の北米巡回少女マンガ展示会のパネリストとしてチコへ招待したトリナロビンからのメールでの招待。ちょうど少女マンガに関する本の執筆/出版を準備中だったので、アメリカのガールズコーミックアーティストにまとまって会えるチャンス到来とばかり、出かけることにした。

ちょうどサンフランシスコでは野球のゲームと重なったせいか(と司会者はそのせいにしておりましたが、、、)、あまり人が集まっていなかったのがちょっと残念。テリサに言わせると、「アメリカンジューイッシュの女性作家のトークなんて、よっぽどコアなファンじゃない限り来ないと思うから、、、」とのこと。当然と言えば当然な結果かも。パネラーのトークを聞いて思ったことは、作品が非常に個人的なテーマ(例えば、高校生時代いかに惨めな少女時代を過ごしたのか等等)に限られていること。もちろん例外はあるだろうが、それがガールズアメリカンコミックの一般的特徴だとしたら、やはり日本のような読者の広がりを持つには遠く及ばないのだろうと、これはもち個人的感想。

そう遠くなり日に、参加していらした作家さんの取材をしたいと思っているので、ことの詳細についてはまたその時にでも。

Wednesday, October 20, 2010

Continued: 教育美術連載 (2010年11月号): 子どもの描画に表れるグローバル化の波?:マンガ vs. アメリカンコミック

以下は実は教育美術(11月号)に書く予定で、最初に書き始めた原稿部分。予定語数をかなり超えそうになってしまったのと、内容がちょっと刺激的だったので、もっと柔らかい表現に変え短めにまとめて原稿を提出。でもせっかくなので、その部分をここにご紹介。ちょうど提出原稿の半分前半部分にあたりますね。表現がストレートすぎて失礼になるかとちょっと心配ですが、日米の美術教育現場に触れての正直な感想です。失礼な部分はご容赦くださいね。

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知った気になって以外と知らなかった事や、その変化に気付かずに昔の知識や体験で思い込んでいたということがままある。私にとって、日本の「美術教育」というのが、まさにそれ。渡米して20数年。私にとっての美術教育は、子ども時代を過ごした故郷奄美での図画工作であり美術教育。当然といえば当然なのだけど、私の中の「美術教育」はうん十年前、小中学校時代(毎週2時間)の生徒として学んだ美術の時間で時計がとまっていた。昨今ちまたでいろいろ日本の美術教育の現状を嘆く声を聞くようになったが、それでも義務教育の必須科目から姿を消して久しい米国の美術教育の現状よりは、日本の方がずっとまし、なぜ皆そう悲観するのか不思議にそしてぜいたくにさえ思っていた。

それがである。息子を日本で体験入学させるようになって6年、日本の美術教育の現場は、実は米国以上にひどいのかもしれないと思い始めるようになった。その理由はいくつかあるが、州毎地域毎に地域の実態毎に異なる教育を展開する米国と異なり、日本ではナショナルカリキュラムの理念の元、地域や教師の質に偏らない質の高い(?)美術教育を行っているはずであった。これが違った。むしろ共通の教科書の存在しない米国の方が理念が浸透し、それに基づいたカリキュラムが実施されているという事実である。また米国の小学校ですでに美術は必須ではなくなっている。その認識から米国の美術教育の実態を悲観する声につながっている。しかし2週間に一度専任の美術教師が指導する授業は午前中一杯(2−3時間)の集中授業。米国の小学校では担任が夫々の学科の中で美術的な要素を取り入れて授業を展開するのが一般的だが、それと別に美術専任教師が指導する美術の授業と住み分けているところが興味深い。また米国の場合(これは6月号でも簡単に触れたが)、中高で美術は選択である。が、その選択の在り方が日本での選択の在り方の週一度の授業ではなく、毎日選択の授業があるのである。この他、知っているようで知らなかった美術教育の実態が日米の比較においていろいろあるが、それはまた次の機会を待ちたい。

Saturday, October 16, 2010

教育美術連載 (2010年11月号): 子どもの描画に表れるグローバル化の波?:マンガ vs. アメリカンコミック

下記11月号のオリジナル提出原稿。
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図1:図録20頁下段左「街の明かり星降る夜」米国高校生作品
図2:図録22頁下段左「津波の猛威」米国高校生作品
図3:図録23頁上段「てんやわんやの生活」米国大学生作品
図4:図録24頁下段左「スーパーマンガ」米国大学生作品
図5:図録28頁下段中央「新しい始まり」米国大学生作品

4コマアート巡回展示会作品紹介(11月号):
子どもの描画に表れるグローバル化の波?:マンガ vs. アメリカンコミック

知っているようで以外と知らなかったこと(もしくは思い込み)というのがままある。今更であるが日米の美術教育の相違についても同様のことが言える。例えば、ナショナルカリキュラムのない米国と存在する日本という美術教育の理念システムの在り方。国によって定められた統一の学習指導要領で勧められる日本の美術教育と州によって異なるスタンダード(Standards=教育理念)で、さらに地域もしくは学校毎に異なる指導方法をとる米国。もちろんこの差は各国の社会的文化的背景を反映している結果である。が、米国の美術教育内で実際に仕事をしてみると、これが単純に割り切れないと思うようになってきた。確かに指導の方法論(カリキュラム内容)は異なるものの、根底に流れる美術教育理念は共通しているのである。現在1980年代に広がったDBAE (Discipline-based Art Education:ディービーエーイーと発音)がその中心を担っており、この理念は各州のスタンダードに現在色濃く反映されている。 DBAE の4つの理念「造形、美術&文化史、美学、批評」(Art making, Art History, Aesthetics, Criticism) を念頭にカリキュラムを作り、各教師がそれぞれの方法論で美術を指導するのが定着している。また、共通の教科書というものの存在しない米国だが、教科書会社というのは無数にあり、これらの教科書を開けてみるとそこにある美術教育理念は共通していることが多い。それは目次などから一目瞭然である。日本ではどうなのだろう?学習指導要領に沿って皆実際に指導しているのだろうか。「米国の方が理念的にはナショナルカリキュラムだね。」と言った日本の友人の言葉が印象深い。知っているようで知らなかった美術教育の実態が日米の比較においてもいろいろあるが、それはまた次の機会に。

さて中身が予定していたタイトルとどんどん離れていってしまいそうなので、ここで無理矢理もどすことにする。一方で、こどもたちの絵の世界を俯瞰してみると、国によって異なりその差が顕著とおもいこんでいたものが、結構その差がなくなってきていることに最近気付いた。これは明らかに情報の流動化がもたらした描画におけるグローバル化の結果?と言えなくもない。例えばこの4コマアートの作品群をみてみると、日本のマンガの影響が予想以上にこどもの描画の世界に広がっていることがわかる。10年前には見られなかった現象である。今月はそんな作品群を5点程図録の中からご紹介。図1&2は日本のマンガの影響( 大きな目、細い線だけの鼻等々)がその人物にしっかりと表れている。逆に図3&4はアメリカンコミック的な絵柄の作品。新聞の4コマ作品として出てきそうな絵柄の図3。図4はアメリカンコミックの代表格「スーパーマン」を元に、「スーパーマンガ」としたユーモア作品。絵にではなくコマ割にマンガの影響が出ている。図5は、絵柄そのものは写実的でアメコミ的な作品に見える。が、よく見てみると現在米国で最も人気のあるマンガアーティスト天野の絵柄で「源氏物語」を模写しているところが、日本のマンガとアメコミの融合ともいえる生徒作品。日本のマンガは日本というローカルから世界的へとグローバル現象となり、それが子どもや若者達の描画に「美意識の変化」として顕著にあらわれているのが今である。