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Monday, January 24, 2011

Mastering Her Art in CN&R Newspaper (1/20/'11):チコ市ローカル新聞記事にて

先々週チコ市のローカル新聞CN&R (Chico News & Reviews)から電話が一本入った。新聞の「15 minutes」コーナーで先日いただいたOTA award関連して、いくつか質問をさせてもらい、それを記事にしたいとのこと。ふむ、どこからその情報をと思ったら、同新聞で記事を書いている私の友人、ジャズのベースプレイヤーでもあるクリスティン (Christine LaPado ^_^)からの紹介とのこと。もちろん有り難いので引き受けだ。その後の電話取材の結果が以下の記事に。

Mastering Her Art (CN&R: January 20, 2011) By Stacy Kennelly

その他いろいろ何か私が企画する度に、そのクリスティン(主任編集者)にはここで紹介してもらっています。以下がチコを基点にいろいろやったイベントの紹介記事その他です。

We see newsmaking in their future: The CN&R's annual Who to Watch list (01/08/09) by Christine LaPado

Food as art: Teas and sushi on display at Humanities Gallery's Far East Fusion events (10/30/08) by Christine LaPado

Manga powerrr: Shojo Manga Power! exhibit centerpiece of Japanese pop-culture events at Chico State (11/03/05) by Christine LaPado

Art of the clothes: Rare Japanese kimonos at Chico State emphasize cultural diversity (9/12/02) by Scott Brennan-Smith

Saturday, January 8, 2011

教育美術連載 原稿(2011年1月号): 日本の鑑賞教育 vs. 米国のヴィジュアルリテラシー教育

2011年新年号原稿(下書き)をここにご紹介。今回で10回目。いよいよ私の最後の原稿が近づいてきました。次回2月号は飛ばして、3月号が最後の原稿となります。これは下書き原稿でイメージ抜きのものですので、最終原稿の方はぜひ「教育美術」雑誌をお買い求めいただき、ご覧になっていただければと思います。感謝。(今回は少々わがままを言わせていただきいつもよりちょっと長めです ^_^)

図1:図録29頁下段左「三つの国旗」米国大学生作品(コラージュ)Jasper Johns
図2:図録29頁下段右「四つの旗」」クウェートからの留学生作品(コラージュ)

4コマアート巡回展示会作品紹介(2011年1月号):
日本の鑑賞(感性)教育 vs. 米国のヴィジュアルリテラシー教育*
December 3, 2010
Masami Toku

2011年謹賀新年。今年最初のそして10回目のトピックは「鑑賞」、日米の鑑賞教育への理念そしてそのアプローチの相違について。

カリフォルニア州立大学チコ校で「芸術鑑賞学」のコースを受け持って今年で12年になる。このコースは米国において一般教養の一つとして、美術専門外の学生を対象に「芸術鑑賞=ヴィジュアルリテラシー (Visual Literacy)」教育コースとして定着しており、多くの学生が取っている。私の教えるコース「Arts100: Art Appreciation-Multicultural Perspectives(芸術鑑賞—多角的視点において)」も120名の大所帯で、その7—8割が1&2年生の学生。専門も会計学、ビジネス、農業学、看護学等々とほとんどが「芸術分野」に関連のない学生達ばかり。また一般教養コースという性格上、教科書も充実しており、多くの本が出版されているが、内容は体系的にまとめられており、どの本をとっても目次を見る限り、大きくわけて5章に分かれて構成されていることが多い(例:1.What is Art? What is Art for?:美術とは何かなぜ必要なのか?2.Elements of Art & Principle of Design:美術の構成要素,3.Visual Art Media:美術の材料とプロセス 4.Architecture:建築&インテリア 5.Visual Records:世界美術史)。 美術を多様な角度から分析し、鑑賞批評そして理解する能力を育てる目的の元「視覚的読み書き能力(Visual Literacy)」を高めるための鑑賞コースとして発展してきた。

日本においては「鑑賞教育=感性教育」として捉えられていることと思うが、米国においては「鑑賞批評能力:美術を通してコミュニケーション能力とも言えるヴィジュアルリテラシー能力を高める教育」として認知されている。一般的にはこの能力は視覚的イメージを通して「他(文化)」を理解、その結果として自己(アイデンティティー)をも再確認する能力と理解されている。私の使用する教科書「World of Art」の著者であるセイヤー(Sayer)はこの能力のことを「”I like this or that painting.”You need to be able to recognize why you like it, how it communicates to you. This ability is given the name visual literacy (「私がこの絵が好きだ。」(とあなたが語る時)、あなたはどうしてその絵がすきなのか、そしてなぜそう思うのかを(あなた自身)知ることが必要である。それを発見し理解する能力のことをヴィジュアルリテラシーと言うのである。)と明言している。

私がはじめてこのコースのことを知ったのは、イリノイ大学(アーバナ•シャンペーン校)で大学院の学生だった頃。ある教授のリサーチアシスタントとしてその授業にはじめて参加した時「あっこんな方法もあったのか」と感激したのを今でもよく憶えている。一般教養のコースでありながら、一方的に教授から学生達への講義的授業ではなく、そこには「アートとは何か?そしてなぜ必要なのか?」を教師と学生の線を越えて討議する風景があった。教師はナビゲーターであって、一方的に指導する存在ではなかった。そこで見た授業風景と教師としての在り方が今の私のスタイルの原点ともなっている。「アートとは何か?」共通する答えの存在しない命題であり、難しくもチャレンジングな授業を展開することになる。学期はじめには、ほとんどアートに感心のなかった専門外の学生達。4ヶ月後その学期が終了する頃、私のオフィスのドアをたたいてくることがある。「自分にとってのアートの意味がわかったような気がする。」と。その時の私の顔と気持ちをご想像願いたい。「Glad to hear that!(それはよかった。)」と静かに微笑みクールを装いながらも、私の心は飛び上がっている。日本の大学教育の中でもこのような「鑑賞教育」が一般教養コースとして定着されることを願ってやまない。

さて、米国では大学において一般教養コースとして定着している「鑑賞教育」だが、義務教育(小中高)の美術教育の中で、特別に取扱われて指導されることは少ない。不思議なようだがもちろんそれには理由がある。これについては、また次回、連載最後の3月号で「日本の美術教育の方向性」への考察とともに言及してみたいと思う。

最後に、実はこの「4コマアート(カテゴリーB)」も鑑賞教育の一環としてのプロジェクトでもあり、毎学期、同コースの中でも課題として研究リサーチ論文と併せて提出させている。名作(アート作品としてその評価が定まっているもの)を一つ選び出し、その作品について調べ、その後そのイメージを広げ、4コマのアートとして「起承転結」の作品としてストーリーを展開させていく。まさにヴィジュアルリテラシー作品(^_^)。

今回はそんな鑑賞教育のクラスの学生からの作品2点をご紹介。ベースになった作品は2点とも米国アーティストとして著名なジャスパージョーンズ(Jasper Johns)の出世作「3つの国旗(Three Flags, 1958))」。3枚重ねのアメリカの国旗は見る人に向かって次第に小さくなるように重ねられている。当時米国は台頭する共産主義思想に対して、恐れをいだく典型的米国国民(愛国&国粋主義)に支持されるマッカーシズムというイデオロギーが荒れ狂う時。小さくなっていくアメリカ国旗の表現はアメリカの価値を低めるものとして批判の対象になったものである。

図1はそんな3枚重ねの国旗が4種類、整然と並べられている。この中実際の国旗は左上のイギリス国旗と右下のアメリカ国旗のみ。他の2つは同様のデザインをアレンジした架空の国旗である。意図するところは、ジョーンズのオリジナル作品以上に国旗の価値を軽減しているものとも読めるし、逆に「国旗=国」という観念は無意味なものであると揶揄しているようにも見える。さてどちらだろう。それとも別の深読みが必要か。図2は米国に留学するクェートからの学生の作品。上段左右に並べられた2つの国旗はおなじみのもの、日本と米国。下段はほとんどの人には馴染みの薄いものだろう。左下がクェート、右下がカリフォルニアの州旗である。実はこの学生はこれら旗に政治的な意味合いも暗喩の意味も含めていない。単純に自分の今一番身近な環境をジョーンズの作品をアレンジして旗で表現しているのに過ぎないとのこと。クラスの教師である私の国「日本」、現在住んでいる国「アメリカ」、自国「クェート」、そして実際の居住地「カリフォルニア州」。深い意味はないと言いながらそこに日本が入っているのが個人的にはとてもうれしかった作品。

余談だが、この数年中東からの留学生がやたら目につく。この鑑賞教育のクラスにも多く、最近では120名中20名以上がサウジアラビア、アラブ首長国連邦、そしてクェートからの学生達である。不思議に思って聞いてみると、中東では石油の渇枯を予測しており、それに代替するものを探すための知力作りとして選抜した優秀な学生たちを米国に送っているとの事。事実かどうかは別として興味深い話しである。

Friday, January 7, 2011

もうひとつおまけに2011-2012出版準備中「少女マンガの受容と広がり」(其の二): A Possible Publication related to Shojo Manga Power!

実は先の美術教育関連本の出版の他にもうひとつ準備中。

3. Power of Shojo Manga! Girls' Comics!: Multi-Perspectives from Global & Local Culture (by an Academic Press or a Textbook Co.)

さて、この本はずっと日本のマンガ関係の方々に「日本人のマンガ研究家(批評家)による英語での論文集を、、、」とお願いしてきましたが、結局「少女マンガ展示会」同様、自分でやることにしました。2005~2009年まで開催した北米巡回少女マンガ展示会「Shojo Manga! Grils' Power!」と南米7カ国でこれらのテーマで講演してきた経験(2007&08)を元に、「少女マンガの受容と広がり」というテーマ、そうでーす。「マンガ一般」ではなくせっかくなので「少女マンガ」にスポットをあてて、グローバルな声をこの本に反映する編集本にしたいと思っています。何人かの日本の方々には声をかけてお願いしてありますが、先のブログに掲載した「1&2」の執筆出版が一段落ついてから、実質的に動くことになりそう。ということで、これまたせっかくなので、この2011年夏予定しているヨーロッパ(学会)旅行の際に集める予定の情報も含める形で出版できるようプランを練っています。

この本に関しては、実はまだ出版するところを検討中。思うようなところがない場合でも、バックアップとしてある教科書会社から出版できるところを既に見つけてはあるのですが、、、どうせたいへんな思いをするのなら、そしてせっかく世界からの声を集めての論文集にするのなら、ここで出してよかったと思えるような所をがんばって探そうと思っています、そしてそのためにはどういったアカデミック出版会社(or大学出版)で出した方がベストかちょっと思案&検討中。それてそれによって戦略を練らねばというところです。

選んでいる場合ではないのかもしれませんが、私にとってはこういったマンガ研究本(美術教育に直接関連しないという意味)はたぶんこの1冊が最初で最後になる可能性が高いので、ちょっとがんばってみます。皆さんに英語でマンガ研究本をぜひに〜と言い続けてきましたが、英語での執筆は、私自身もそう楽ではないというところに今更ながらに気づきました(笑)。でも、でも、です。「少女マンガ」に恩返しということで、力を入れてやらんといかんぜよ(^_^)。

Wednesday, January 5, 2011

2011年美術教育関連出版プロジェクト(其の一): Possible Publications in Art & Education in 2011

今年はいくつか大学の教科書を含め、美術教育やヴィジュアルポップカルチャー関係の本を出す予定。ここに簡単にご紹介。執筆を進めるにあたって、皆さんにご教示をいただいたり、また公募の際には、皆様からのご寄稿をお願いしたいと思いますので、その時はどうかどうかよろしくお願いいたします。(今までイベントやプロジェクトでふらふらしていて、なかなか本出版のため腰を落ち着けることはできなかったので、ようやく精神的に準備ができたというところです。今まで同様、実は余裕は全くないのですが、チャンスも一期一会。がんばりまーす!)以下3冊(4冊)今年から来年にかけて準備中。

1. Art Appreciation: Multicultural Perspectives (by Kendall Hunt Pub. Co.):

大学の一般教養コースのひとつとして定着している「芸術環境教育コース」の教科書としてこの2011年新学期(秋学期)にあわせて出版予定。今までの教科書と大きく違うところは、Web-online 教科書とワーキングブック(教科書のあらすじと課題が一緒にコンパクトにまとめられた印刷物形態)の2部構成の教科書であること。今まで出版されている一般的な教科書の問題点を解決することを目的に構成。問題点はまずイメージを多く使用することにより版権料等が教科書に反映され高価になりがちであったこと。そして作成までに少なくとも数年かかることにより、出版された時点ですでに(特に)現代アートの作品例が、すでにアウトデイトになりがちであったこと。また多くの教科書が西洋アートを多く例にとりあげ、その他の文化からのアート作品、そして女性アーティストの作品例が極端に少ない傾向にあったこと。これらの問題を解決して、なるべく安価で学生達に教科書を提供するという目的で、このWeb&印刷バージョンという2形態の「芸術鑑賞教育」の教科書を出版することになりました(^_6)。

2. Voices from the Visual Pop-Cultural World (Anime & Manga): Did ArtED help your Career? Do We Need ArtEd in Schools? (by NAEA Press with Dr. Brent Wilson as a co-author)

美術教育に関連づけて、今まで調査してきたマンガ&アニメの広がり(子どもの認知や美意識への影響)について、一冊このヴィジュアルポップカルチャーという題材で本を出したいと思っていました。なかなか教育という分野の中で、その機会は訪れないと思っていましたが、とうとうというか機は熟したようで、チャンス到来。とてもうれしく思います。現在2,000年から一緒に共同で調査を進めてきたペンシルバニア州立大学の元教授 Dr Brent Wilson との共著になる予定。現在美術教育ではもっとも権威のある米国美術教育学会出版(NAEA Press)で話を進行中。内容は2部構成。1部はブレントとこの10年取材をしてきた日米のマンガ家(アニメも含)、出版関係者、コミケ関係者(できたらマンガに影響を受けたアーティストも)とのインタビュー集。もう1部はこれらマンガ&アニメのエッセンスを元にその美術教育への応用の論文集(公募)になる予定。これらの取材を通して、今後の美術教育はどうあるべきかの問いかけにもなるように構成するつもりです。(もし内容が膨れるようなら、シリーズで2冊もありとブレントと検討中 ^_^) 乞うご期待。(2012年春出版予定)

Tuesday, January 4, 2011

2011年美術教育関係プロジェクト情報: Project Info in Art & Education in 2011

(「マンガを描くための色鉛筆」プリズマカラーペンシル広告)

とうとう「マンガ」が米国の美術教育(図画工作)の世界でも地位を築きつつあるようだ。2010-2011年度版のアート材料&道具のカタログ本の裏表紙に上記のような宣伝記事が大きく出ていた。「マンガ」を描くためにはこの色鉛筆が最高!といううたい文句。「マンガ」を描くということが米国の(一般の)子ども達の間でも確実に広がっている証拠であり、そのための特別な道具&材料が売れる時代の到来ということでもある。時代は変わった。この宣伝を図画工作材料会社大手「Blick」のカタログの堂々と載る時代がやってきたのである。「米国美術教育よお前もか!」という感じ。(わたし的には、どちらかというとうれしい驚き。)

米国の出版市場で日本のマンガ本が売れているかどうかは少々疑問だが、描き手は確実に増えてきている。特にこの宣伝のまんがちっくな女の子が示すように、アメリカの女の子達(小学生)はこんなマンガスタイルの絵を自分のポートレートを描く時によく描くそうである(現役の小学生男子だった現在中一12歳のうちの息子がそう言っていたので間違いあるまいと思う)。

2005年6月出版された少女マンガ「Shojo Beat」は2009年早くも閉刊。涙。でもウィキペディア情報によると、2003年出版の月刊「Shonen Jump」は2008年時でも年間20万部で確実に売れているそうだから、米国のマンガ購買層に男女差があるということ?だとすると、マンガ的描画に女の子のファンが多いという海の情報との関連性は?。女子は印刷版でなくネットで見ているということ?そういえばスキャンレーションの中心は女子でしたね。ふむふむこれまた興味ある研究対象かも、、、)

かつて、北米巡回少女マンガ展示会「Shojo Manga! Girls' Power!」を2年余(2005-2008)指揮していたせいか、今でも私のところにはマンガを研究する大学生からよく質問や問い合わせが来るが、問い合わせの傾向にここ数年変化を感じる。ティーンエイジを子どもに持つ保護者からのメールが増えているのである。内容は「うちの(特に)娘がマンガが大好きで、どこかマンガの描き方を指導する米国の大学を知っていたら教えてほしい。」もしくは「日本にマンガの勉強に行かせたいのだが、どこが良いのか。」等々、、、確実に米国でも「マンガ」は読み手から描き手市場に移行しているのを感じる。

こういう現象を目の当たりにしながら、美術教育における「マンガ」とは、、、と考えている最中、研究パートナーでもあるブレントウィルソンからメールが届いた、ニューヨークタイムズの年末版(12月27日)におもしろい記事が出ているとのこと。下記がそれである。「日本の大学はマンガ好きの外国人の魅力的な場所になりつつある。」というもの。Check it out(^_^)!


次に米国美術教育の出版事情にも、「マンガ」の影響が表れていることをご紹介。2011年度は教育界にもマンガブームか?乞うご期待。

Saturday, January 1, 2011

2011 Happy New Year: 「2011謹賀新年」旅先にて

Happy New Year from a road on the way to LA!

This is an annual letter of 2010 from Jon, Masami, and Theo (*Please click on the letter to read this, thank you!)

*Also, please click here to see the related photos (^_^)!

私たち家族からの2010年度便り。左の手紙上をクリックくだされば拡大サイズに戻ります。(ここではクリスマスカードと共に親戚友人達に1年を振り返っての出来事をお知らせする手紙を送るのが習慣の一つ。)

新しい2011年が皆様にとっても良い年になりますように。心から。