(「マンガを描くための色鉛筆」プリズマカラーペンシル広告)
とうとう「マンガ」が米国の美術教育(図画工作)の世界でも地位を築きつつあるようだ。2010-2011年度版のアート材料&道具のカタログ本の裏表紙に上記のような宣伝記事が大きく出ていた。「マンガ」を描くためにはこの色鉛筆が最高!といううたい文句。「マンガ」を描くということが米国の(一般の)子ども達の間でも確実に広がっている証拠であり、そのための特別な道具&材料が売れる時代の到来ということでもある。時代は変わった。この宣伝を図画工作材料会社大手「Blick」のカタログの堂々と載る時代がやってきたのである。「米国美術教育よお前もか!」という感じ。(わたし的には、どちらかというとうれしい驚き。)
米国の出版市場で日本のマンガ本が売れているかどうかは少々疑問*だが、描き手は確実に増えてきている。特にこの宣伝のまんがちっくな女の子が示すように、アメリカの女の子達(小学生)はこんなマンガスタイルの絵を自分のポートレートを描く時によく描くそうである(現役の小学生男子だった現在中一12歳のうちの息子がそう言っていたので間違いあるまいと思う)。
(*2005年6月出版された少女マンガ「Shojo Beat」は2009年早くも閉刊。涙。でもウィキペディア情報によると、2003年出版の月刊「Shonen Jump」は2008年時でも年間20万部で確実に売れているそうだから、米国のマンガ購買層に男女差があるということ?だとすると、マンガ的描画に女の子のファンが多いという海の情報との関連性は?。女子は印刷版でなくネットで見ているということ?そういえばスキャンレーションの中心は女子でしたね。ふむふむこれまた興味ある研究対象かも、、、)
かつて、北米巡回少女マンガ展示会「Shojo Manga! Girls' Power!」を2年余(2005-2008)指揮していたせいか、今でも私のところにはマンガを研究する大学生からよく質問や問い合わせが来るが、問い合わせの傾向にここ数年変化を感じる。ティーンエイジを子どもに持つ保護者からのメールが増えているのである。内容は「うちの(特に)娘がマンガが大好きで、どこかマンガの描き方を指導する米国の大学を知っていたら教えてほしい。」もしくは「日本にマンガの勉強に行かせたいのだが、どこが良いのか。」等々、、、確実に米国でも「マンガ」は読み手から描き手市場に移行しているのを感じる。
こういう現象を目の当たりにしながら、美術教育における「マンガ」とは、、、と考えている最中、研究パートナーでもあるブレントウィルソンからメールが届いた、ニューヨークタイムズの年末版(12月27日)におもしろい記事が出ているとのこと。下記がそれである。「日本の大学はマンガ好きの外国人の魅力的な場所になりつつある。」というもの。Check it out(^_^)!
次に米国美術教育の出版事情にも、「マンガ」の影響が表れていることをご紹介。2011年度は教育界にもマンガブームか?乞うご期待。
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