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Friday, February 20, 2009

日米美術教育事情:カリフォルニア州美術教育プログラムを元に (Feb. 2006)


下記2006年に2回続けて日文のFormに書かせてもらった原稿の抜粋です。(*全文にはPDFでここをクリックするとリンクします。

日米美術教育事情:カリフォルニア州美術教育プログラムを元に 

徳 雅美
カリフォルニア州立大学チコ校

日本状況米国の事情

インターネットの普及の おかげで、ここカリフォルニアの地にいても、リアルタイムで日本の情報が手に入る。今日本における美術教育の行方が気になる。中学における美術教育は本当に選択制になってしまうのか。「ゆとり教育」への変換、「総合教育」の導入、それに伴う科目時間数削減から、とうとうこの日がきたかという感は拭えない 。今の日本の状況は米国の美術教育が存亡の危機にたたされた1960年代に良く似ている。 当時の米国は教育改革に揺れ、そのあおりを受けた美術教育は他教科との競合において瀕死の状態にあり、存在をかけて理念の見直しを迫られていた。結局米国の美術教育がとった方向は、職業訓練的な技術教育でもなく観念的な感性の教育でもない、 ディスプリン教育という形で その存続 に活路を見出した。DBAE (Discipline-based Art Education) 1)である。他の多くの理念と同様、このDBAEに関しても賛否両論はあったものの、1980年代から米国全土に普及し、現在も Comprehensive (Discipline-based) Art Education 2) と名を変えながら、米国ほとんどの州でスタンダードと融合した基盤理念として現在も存続している。2004年に発行されたナショナルスタンダード3) の中心理念にもその影響が強く現れている。  

現在かつての米国のように、存続の危機に立たされている日本の美術教育は、その理念をどこに置こうとしているのだろう。他科目との関連において、明確なディスプリンを元に学年を通じて同方向性連続性を持つ科目にするのか、それとも従来のような美術教育しか成し得ない「感性の教育」としてのビジョンを押し通すことができるのか。それともこれらを融合した形にするのか。また段階的にその達成レベルを評価できる科目にできるのか。そもそも統一した理念を見いだせるのか。 いずれにしろ日本の美術教育理念の方向性に拘わらず、 他教科との競争において一定の授業時間を確保するためには、 美術教育の意義目標を明確にそして有効に表明しえる 教師自身のプレゼンテーション能力が問われることは間違いないだろう。さて現在の米国の 美術教育はどうなっているのだろう。



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