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Wednesday, April 22, 2009

2009 NAEA報告 其の1: A report from 2009 NAEA Part 1 (Dr. Eisner & Stanford colleagues)




4/17~4/21までの5日間、ミネソタ州のミネアポリスでのNAEA学会が開催された。毎年全米(世界中?)から約3千とも5千とも言われる美術教育並びに美術館教育関係の人々が集まり、約千件の発表、シンポジウム、ワークショップが開催された。

上記のビデオは、2009年度NAEA (National Art Education Association:米国美術教育協会)、Dr. Eisnerの小講演。学会誌でもある「Studies in Art Education」の50周年記念としての特別セッションのひとこま。10年毎の歴代の編集者(通常2年毎に交代)のその時代時代の特徴や変遷を語ってもらうというもの。シリーズでセッションがあり、アイスナー博士は一番最初の10年、1950年代のところでの参加。ここ数年体調が思わしくなく海外での講演はほとんどキャンセル状態だったアイスナー博士。国内での講演でも体調が悪いのは明らかで、いつものきれのよい話しからはここ4、5年程、遠のいているように感じられていた。今回の参加も学会誌の50周年記念という特別なものでもない限り、出ては来られなかったのではないだろうか。

正直二百人ほどの聴衆で一杯の中、大丈夫かと心配する人も少なからずいたのではないかと思う。私もその一人。でもさすが、、、である。確かに質問に対して、少し沈黙の後、間をおいて語り始めるものの、話し始めたら、すらすらと明晰な話し振りは健在。特に理論を話した後、必ず 「For example ,,,」と具体例を示す、アイスナー博士の論調はやはり見事。理論とそれに関する実践例が見事に頭の引き出しにまとめられているのだと思う。このビデオの中で彼はアシスタントプロフェッサーになりたての一人からの質問「大学側が求める研究をすべきなのか、それとも回りの反応には関係なく自分のしたい研究をやるべきか?」に対して「Both (両方を考慮すべき)」と答えた後、いろいろな例をもとに話しを続けた。ちなみにこのセッションの司会はオハイオ州立大学のエフランド博士。彼もやはり美術教育界の重鎮。(私は個人的にはアイスナー博士よりもこのエフランド博士の論文の方が好きかもしれない。授業の中でよく使わせてもらっている。)

お二人とも昨年夏の大阪のInSEA世界大会には体調不調でいらっしゃれなかった。日本の先生方がお二人の講演を聞く機会を得られなかったことはやはり残念。NAEAは米国の学会だけれど、世界で一番大きな美術教育関連の学会で、毎年3月か4月に開催される学会では、彼らも含め、世界中から優れた方々が基調講演やセッションを行うので、機会があれば日本の先生方にもぜひお出でいただきたいと思う。(このビデオ部分の翻訳はまた近い内にブログの紹介したいと思います。しばしお待ちを ^_^。。。)

また学会中の他の情報については続けてブログ内で紹介しますね。
*写真サイト右上「Slideshow」をクリックするとスライドショーがスタートしますよ。

以下余談です。下記の写真は私の美術教育の同僚、カリフォルニア州立大学チコ校のテリサ(Dr. Teresa Cotner:写真後ろ側右) と彼女の出身校スタンフォード時代の皆同僚達。テリサの左側は現在ミネソタ大で美術教育学部(ここは博士課程も存在する研究母体の州立大学)で教鞭をとるジム。C&I (Curriculum & Instruction)が専門で、研究テーマはネィティブアメリカン関連。前列左はそのジムの奥さんマージョリ(と娘のジェーン)。同スタンフォード大で地球科学で博士号を持ち、現在ミネソタ科学博物館勤務。つづけてミスティとこどもたち(ゲイリとライラ)。彼女は確かバイオロジー専門で、やはり現在ミネソタ大の助教授。右端はミスティのご主人の学(がく。日系アメリカ人)。やはりスタンフォード大で博士号を持つ(専攻は失念)。現在は働く奥さんに代わって彼が二人の子育てをしている家庭の主夫。(そういえばうちの旦那さんもチコに移って来た当初はそうでした。私が大学に勤務し始めの頃、彼は専攻を「英語修辞学」から「環境科学」に変更して大学院に入りなおし、学生と主夫の二足のわらじをはいてくれていましたね。米国では結構よくあるパターンかもしれない。)

実はアイスナー博士が指導していたスタンフォード大学 (Stanford University)の美術教育は実はとても小さいプログラム。美術教育専任の教授はアイスナー博士ただ一人。博士課程の学生も一年に一人しか入れないという規模。しかし美術教育ブログラムも芸術ではなく、教育学部に所属し、また教育学部自体も比較的小さいせいで、例えば、美術や科学という専門学科を超えて皆とても仲がよい。イリノイ大学 (University of Illinois at Urbana-Champaign)という大きな美術教育学部の中で学位をとった私はその恩恵も十分受けてはいるが、その分友人関係はやはり美術教育に偏っているので、テリサのような学科を超えた友人関係はやはりうらやましい。話しをもどして、アイスナー博士が数年前に退官された後、スタンフォード大では結局後任をとらず、美術教育ブログラムの博士課程はそのまま閉鎖となってしまった。とても残念 (>_<,,,)。

今回のミネアポリスの学会では、テリサとホテルで2泊した後、ジムとマージョリの家に2泊させてもらった。その間皆で私たちの歓迎夕食会を開いてくれた。下記の写真はその時のもの。いつもは自分の発表原稿の準備に追われてホテルに缶詰の学会参加が常なのだが、今回はテリサの友人達のおかげでとても良い時間を過ごさせてもらった。感謝 (^_^)


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