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奄美から東京へ明日はいよいよアメリカへという日程の中、ヤマダさんと川原さんに
「米沢嘉博記念図書館」で会ってもらうことにした。前々から行きたいと思っていながらなかなかチャンスを作れずのびのびになっていたので、今日はちょっとうれしい。
米沢さんと言えば、私も数度お会いした事がある。最初は2000年の夏。ブレントウィルソンとマンガ環境調査と称し二人で日本で取材をしていた時、夏のコミケで米沢さんに取材をさせていただいた。そしてその翌年私はサンフランシスコの
「ヤオイコン(Yaoi-con:Yaoi Conference)」を覗きにいった時、日本からいらしていた米沢さんに偶然お会いし、再度取材をさせてもらった。コミケどころかマンガに対してもほとんどどしろうとに近かった無知な私(達)の質問にも、丁寧に回答していただいた。ただもう感謝の一言。急な訃報の知らせをここアメリカの地で耳にした時には驚いた。このような形で米沢さんの功績が残る事はとてもうれしい。
さて1階はその米沢さんのコレクションからの抜粋的な展示になっていて、キャーこんなものも集めてらしたの、、、と目が点になるような、いやもとい、うれしくなるような収集で一杯。コミケのカタログの背表紙をつなげると一つのストーリ的絵柄になるのも感激。こういう遊び心好きだなあ(^_^)。
2階は閲覧室。3〜5階が閉架式書庫。多くの収集本(週刊、月刊、単行本等)であふれている。懐かしい本も一杯。ヤマダさんが手にしているビニール本の表紙は外人の女の子。私がちょうど小学校の子どもだった頃の少女マンガ雑誌の表紙はそう言えば皆こんな感じで、外人金髪碧眼(古ーい)の女の子ばかりだった。あの頃のあこがれは外人だったのよね。それが21世紀の今、アメリカのティーンのファッション雑誌の表紙がアジア系の黒髪の女の子で飾られるようになるなんて、あの頃は想像だにしなかったもの。それどころかアメリカのマーケットは日本のポップで今は溢れ返っているもの。いやー時代は変わるもんですな〜。おー西谷祥子先生の表紙のセブンティーンが。この表紙にあこがれて、当時15だった私はセブンティーンを買い始めた。その頃掲載されていた作品群よりなぜか今でもこの表紙の方が記憶にずっと深く刻み込まれています。この目のきらきら、スパークリングアイにホールインラブだったんですね。(当時父に17になってから読むものだとしかられたけど、17になった私はとうにその本から卒業していましたね。)
そう言えば学年誌がない。あの頃親と折り合いをつけて買ってもらえたのが、小学校うん年生という月刊誌だけだった。自分のお小遣いでは本当に欲しい少女マンガ雑誌を、だったけど、今となっては学年誌もとっても懐かしい。どうも私がアメリカに行っているうちに消えてしまったのか。子どもが自由にマンガを買えるようになった今、学年誌の役割も終わったということでしょうか。
1時間足らずの訪問でしたが、ヤマダさんと川原さんのおかげで、雑談しながら自分の時代をマンガとともに振り返ることができてとても楽しいひと時でした。当たり前だけど、私たち三人の年代が違うので(それと育った土地が違うので)三人三様のマンガ時代の特徴を振り返る事ができました。感謝。
ひとつ最後にお願いです。できたら記念図書館で、日本で出版されているマンガ関係本(雑誌や単行本:エッセイのような軽いものから研究本と言われるものまで)も収集して欲しいです。それと前々から思っている事ですが、マンガ学会あたりでも(実際にはどこでもよいのですが)、研究発表の中からいくつか選んで英語翻訳して出版してもらいたいです。たかが英語されど英語。こんなに日本でマンガ関係の雑誌、本、研究が出版されているのに、英語でないのが理由で日の目をみることがないなんて、ほんともったいない。