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Friday, September 3, 2010

教育美術での連載 (2010年5月号):公募作品「カテゴリーA」で日米とも一番多かった主題は?

続けて下記5月号のドラフト原稿です。教育美術をもし既にご覧になっている方がいらしたら、どの部分が変更になっているかお気づきでしょうか?自分で読んでみて、「間違い探し」ならぬ「変更探し」を楽しんでいます。

図1:図録7頁下段右「シロクマのお昼寝」米国生徒作品

図2:図録10頁上段右「北極グマの憂鬱」日本生徒作品

その他関連作品:

図3: 図録8頁下段左「シロクマが死んでいく」米国生徒作品

図4: 図録11頁上段左「温暖化現象」日本生徒作品

図5: 図録11頁上段中「温暖化現象」日本生徒作品

図6: 図録11頁上段右「北極ぐま」日本生徒作品

図7: 図録17頁上段左「ホッキョクグマと地球温暖化」日本生徒作品

4コマアート巡回展示会作品紹介(5月号):

公募作品「カテゴリーA」で日米とも一番多かった主題は?

April 4, 2010

2008年「ぼくらの世界で今何が起こっているか?!」をテーマに日米の子どもたちから作品を公募した結果、集まった「カテゴリーA(上記のテーマを元に自分で選んだ主題を4コマで表現)」の作品中、一番多かったのは日米両国とも「グローバルウォーミング(温暖化現象)」。当時メディアでさかんに話題になっていた問題でもある。きっかけは元米国ゴア副大統領を環境問題の論客として作成されたドキュメンタリー映画「不都合な真実 (An Inconvenient Truth, 2006)」。同作品が翌2007年第79回アカデミー賞において長編ドキュメンタリー賞を受賞、そして環境問題の啓蒙に貢献したとして同ゴア氏へのノーベル平和賞が授与されたのは周知の事実である。私たちの生活の中から排出される二酸化炭素の増加によっておこるオゾン層の破壊、その結果、世界的レベルで温暖化が加速され、多くの問題が起こると警鐘され始めていた。世界で起こっている問題について思いを巡らせたとき、子ども達にとって最も身近な主題が「温暖化現象」だったのだろう。それでは同主題について、日米でどのような表現の作品が集まったのか。表現方法に相違はあったのだろうか。

おもしろいことに日米に限らず、多くの同主題作品が「シロクマ」を中心にストーリーを作り上げていた。(図1&2参照)これはちょうど温暖化現象の問題の一例として、テレビ等で良く取り上げられていたのが、北極の氷が加速度的に溶け始めているということ、そしてその結果氷を横断してえさのアザラシを捕りに行くシロクマがえさをとれなくなり、餓死していく現象がさかんにテレビ等で繰り返し放送されたことが、「温暖化=シロクマの餓死」というイメージに直結し、子ども達の記憶の中にインプットされてしまったのだろうと想像できる。

図1と2を見比べてみるとその主題やストーリー展開に日米に共通していることが多いことに気付く。それでは顕著な違いはあるだろうか。この二作品は4コマの割り方は同じであるが、読む方向に違いがあるのがわかる。図1の米国作品は、上段から初めて左から右へ、そして下段へ同様に左から右へと進む。図2の日本作品は、右段から初めて上から下へ、そして左段の上から下へと読み進むようになっている。もちろんこれは英語と日本語の言語の違いから来ていることはすぐに理解できる。実はその他にもう一つおもしろい違いがあるのである。図1の作品が正面からシロクマを見るようにして描かれているのと異なり、図2の作品は俯瞰的に描かれている。そして2コマ目(右段下)のシロクマが意図的に枠からはみ出るように(カットされて)描かれているのである。私が10年以上前に、日米のこどもの描画表現の違いとして、空間表現の相違を述べたことがあるが、同じ表現をこの4コマの中にも見つけることができてちょっとうれしい気分。やはり文化による表現方法の違い、そして日本人特有の表現方法は確かに存在するのである。

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