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Sunday, April 4, 2010

6年間の体験学習集大成:名瀬小学校の卒業式に参加して

息子の6年間の体験学習の集大成として、名瀬小学校の卒業式(平成22年3月24日)に参加させてもらった。

またこの体験を元に、奄美大島のローカル新聞「南海日日新聞」に日米の学校教育の相違のようなものを中心に記事を三回(月一)書かせてもらうことになった。

下記がまず最初の文である(校正前のオリジナル)。もともと日本語での連載に興味を持っていたので、こういう形で書かせてもらうのはとてもうれしく有り難い。「教育美術」も先月から一年間、4コマアート作品の日米比較という形で連載を書かせてもらっている。今年はそういう年になりそうで、自分でもちょっとどきどきしている。

6年間の体験学習総まとめ:名瀬小学校の卒業式に参加して思うこと

先日3月24日(水)息子の海(かい)が名瀬小学校を卒業した。(いや正式には「卒業式に参加させてもらった」ということになる。)この日多くの子ども達がそれぞれの小学校を卒業したことだろう。それを見送る親にとってもそれぞれの卒業式であり、悲喜こもごもの思い出がかけめぐる特別な日であったことと思う。私たちの場合も例外ではない。

1998年1月27日アメリカ生まれアメリカ育ちの息子の海(かい)。アメリカ人を父にそして日本人の私(旧名瀬市出身)を母に持つ日系アメリカ人の男の子、属にいうハーフである。その息子を我が母校名瀬小学校に体験入学させることになったのは6年前、2004年(平成16年)こと。毎年アメリカの学校が終了するのを待ち、初夏6月過ぎに帰郷して夏休みが始まるまでの約一月間の体験入学。当時日本語がほとんどできなかった息子にとって、日本の学校での学習は不安だらけ。しぶる息子をなだめすかし、まずは一回試してみようと入学させることにした。それが6年も続き、夏は奄美帰郷と息子のカレンダーの中にしっかり組み込まれ、毎年6月の日本帰国を楽しみにするようになるとは、当時は想像だにしなかったことである。

これは暖かく迎えてくださった名瀬小学校の先生方、並びにクラスメートの友人達、そしてそれを支えてくださった保護者の方々のご厚意のおかげであるのはもちろんのこと、奄美大島の美しい自然と環境が息子の帰国帰郷を促すモチベーションになってくれたのは言うまでもない。 うん十年前、子どもだった私に取って退屈以外の何ものでもなかった故郷奄美大島が、今時を超えてアメリカ生まれ育ちの息子にとって輝かしい日本での故郷になってくれたことが、とてもうれしくありがたい。奄美出身の多くがそうであるように、18歳高校卒業と同時に名瀬を離れた私にとって、奄美大島は長らく遠い過去として記憶にとどまるだけの故郷に過ぎなかった。それが、息子の体験入学を通して、再度故郷奄美大島の価値を再確認するきっかけになったことは、私自身にとってもとても幸せなことだった。

さて息子の体験学習を通して、日米の学校教育についても多くの相違点を発見した。今回の「卒業式」もその一つ。実はアメリカには一般的に小学校の卒業式は存在しない。その理由は義務教育の違いからきている。例えばカリフォルニア州では、幼稚園から高校までの13年間が義務教育。それも日本の「6−3−3制」のように、はっきり分かれているわけでなく、地域によって異なる。主に「7−2−4」制(幼少7年、中学2年、高校4年)と「6−3−4」制(幼少6年、中学3年、高校4年)の二種類がある。 ということで、義務教育の最後が高校であることだけが共通なので、その高校卒業の時に初めて正式に卒業式を実施というのが一般的である。

名瀬小学校の卒業式に出させていただき、 舞台の上で、日頃着慣れない制服に身を包み、ぎくしゃく歩きながら卒業証書を受け取る息子を見、これで親子三代同じ小学校を卒業したことになるなと改めて感無量。

日米それぞれの学校事情があり、それぞれの長所や問題点があるようだが、卒業式に関して言えば、子ども達の新たな旅立ちのことを思うと、このような式典は個人的には良い事のように思う。等々、今後また機会があれば日米の学校教育の違いについて紹介できればと思う。

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